HITOSHI MATSUMOTO
一人 ごっつ(’96・11・5)
松本:「・・・」
埴輪顔の大仏(以下、師匠)(声:ザ・テレビジョンに答えあり)
:「・・・」
松本:「・・・」
師匠:「・・・何とかゆ〜てくれよ」
松本:「・・・」
師匠:「・・・なぁ」
松本:「・・・」
師匠:「お前のために、俺はこ〜やってやっとんのやんけ」
松本:「・・・フフフッ」
師匠:「お前が頼めへんかったら、ワシせ〜へんで」
松本:「そらそーですよね」
師匠:「うん」
松本:「頑張りましょう」
師匠:「・・・そうゆ〜てくれるか?」
松本:「はい」
師匠:「応援してくるるか? ワシのこと」
松本:「えっ!?」
師匠:「ワ、ワシのこと、応援してくるるか?」
松本:「・・・、「応援してくるるか」?」
師匠:「うん」
松本:「・・・なん? 「くるるか」て」
師匠:「・・・」
松本:「「応援してくれるか」っていうのは、応援・・・」
師匠:「うん」
松本:「を頼め、頼んでええか?って事ですよねぇ、応援・・・」
師匠:「そやなぁ」
松本:「うん」
師匠:「うん」
松本:「・・・「くるるか」?」
師匠:「うん」
松本:「これは?」
師匠:「俺も自分のこと応援するけども・・・」
松本:「はい」
師匠:「お前も俺のこと応援してくれゆ〜こっちゃな」
松本:「はぁ、それ「くるるか」ってゆ〜んですか?」
師匠:「そうや」
松本:「へぇぇぇ・・・」
師匠:「・・・これからお前も使いィ」
松本:「・・・はい」
師匠:「・・・全国ネットのゴールデンで使いィ」
松本:「・・・はい」
師匠:「・・・フフッ」
松本:「・・・」
師匠:「・・・ええ子やのぅ」
松本:「・・・はい」
師匠:「・・・」
松本:「・・・」
師匠:「・・・やる?」
松本:「やらないっす、まだ」
師匠:「フフフッ・・・」
松本:「・・・」
師匠:「・・・ふん、ほなもうちょっと話しよか?」
松本:「アハハハハ」
師匠:「ハハハ」
松本:「ま、やっぱりええかな?」
師匠:「・・・」
松本:「・・・はい」
師匠:「とりあえず今日は、やってまおか? 先な?」
松本:「うんッ」
師匠:「よし」
・
師匠:「写真で一言」
○写真:ギリシャ風の観光地、太ったメガネのオッサンが雑誌片手に、
痩せたメガネの兄ちゃんに説明している。2人とも何かを見
ているのだが・・・
(Copyright Richard Kalvar/Magnum Photos Tokyo)
松本:「「わかりません、・・・えぇ」
「わかりませんやないがな、これさえ覚えといたらええ」
「いや、わかりません」
」
松本:「・・・ハハハ」
師匠:「写真で一言」
○写真:太陽の照りつける中、クルーザーに乗ったパンツ姿の老人達、
まぶしいのか? それとも他の理由なのか? 一同目を細め、
遠い何かを見つめている。
(Copyright Philip Quirk/Wildlight/PPS)
松本:「・・・何や、帰りたなってきたなぁ」
松本:「ハハハ・・・ハハハハハ」
・
師匠:「こいつのこと教えて」
松本:「でたぁ・・・、はぁ、腹立っつわぁ」
千葉県 大森政信 画
松本:「チッ、こいつなぁ・・・・、あのねぇこいつねぇ、ま、まだ
子供やけどねぇ」
松本:「こいつはねぇ、よ〜〜いじめられたよ、・・・しょっちゅう
エアガンで打たれてたからね、
「もぅ、やめて〜や、やめて〜や」
ゆ〜てんねんけどね、
「も〜、せ〜へん、も〜せ〜へん」
ゆ〜て、また打たれて、うん・・・、う〜ん、
「その痛がり方がハラたつ」
ゆ〜てまたいじめられて、・・・ハハハハハ」
松本:「こいつなんやろな」
松本:「ま、家はねぇあの、そんなに金持ちやないわな、うん・・・、
ま、兄弟多いからね、うん・・・、うん、金持ちではないな、
うんっ、金はない、正直貧乏ですよ・・・、えぇ、ギリギリ
修学旅行いかれへんかったみたいなところやね、うん・・・、
ハハハ、行けたじゃなくて行かれへんかった方やね」
松本:「こいつ何やろな・・・、こいつねぇ、ま、今小学校ぐらいや
けどね」
松本:「中学の終わりぐらいでね・・・、死ぬね、・・・ハハハ、
「知ってる!? あいつ死んでんで」
「うそぉ!?」
・・・ハハハハハ、まぁ、何で死んだか、もひとつはっきり
分かれへんみたいなとこやねんけどね、何か・・・、あれや
ろね、うん、色々考える事があったんやろね、じぶ、自分で
死んだんかどうかは知らないっすけどねぇ」
松本:「う〜ん、こいつは、まぁまぁ、まぁ・・・そんなにいい人生
ではなかったねぇ・・・、う〜ん、何やろな、こいつ」
松本:「こいつねぇ、そう、こいつはねぇ・・・、目があんまり良く
ないんやけどねぇ、ま、こんなんやから1番前には座らせて
もらわれへんのですよね、うん、・・・ハハハ、4番目位に
座らされてねぇ、で、またいじめられるんですよねぇ、うん」
松本:「こいつ何やろな、あの・・・頭がね、あれがすごいですよね、
こいつ何やろな・・・、こいつはねぇ、あっ!」
松本:「こいつねぇ、あの〜先生にね、
「大きなったら何になりたい」
ゆ〜たらね、いや、ア、アホやのに、アホのクセにね、よ〜
わかってへんクセに、
「警察官ッ!」
とか言いよるんですよ・・・、
「カッコええもんっ!」
とかゆ〜てね、うん・・・ハハハハハ、えぇ、その頃自分で
死ぬとは思てへんかったからねぇ」
松本:「うん・・・、うん、ハハハハハ」
・
師匠:「日本語で返そう」
相手:「(早口、ハスキー、中国語?)シャウニッチャウニムツオウ
ダッ、シャチャウチェウツモウゲンズモノコツァショコザン
ションホナ、ナモホザイボコイホコイシャインツァイギナ、
イデンタンホコイドンホンイオツォイドゥオイナオイシュホ、
ニーガイチャンダイイオタンッイオプーアイタンイオチーコ
ーライレンシューシャン、ナモホアシャーシュショ、イーソ
イカナイレンソーホア、インカナイレンニーカチャチャンソ
イーソイニーポイチャターチューニーポイチャドポカァナイ
レンットポカアナイレントコチョニーチャ」
松本:「ほな、お前からさき送ったらええねやろッ」
松本:「(怒った振り)・・・、ハハハ・・・ハハハハハ」
制作著作 フジテレビ
こいつ、一人ごっつ 終
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