モディリアーニ -愛と創作に捧げた35年- @大阪中之島美術館

展覧会のハシゴの最後はモディリアーニ展。大阪中之島美術館です。これは帰りの下りのエスカレータから撮った写真ですけど。

大阪中之島美術館
大阪中之島美術館
大阪中之島美術館としてのオープニングの展覧会は所蔵品展だったので今回が最初の特別展と言って良い展覧会となります。大阪中之島美術館の目玉所蔵品がモディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」なのでモディリアーニの展覧会にしたかったと思われます。

モディリアーニは若くして亡くなったので現存する油彩画はそんなに多くなくて400点ほどだったと思いますが、しかも有名作をまとめて所蔵している美術館はないので世界中からかき集めないといけませんが、このご時世なんで目一杯集めるのが難しかったからか今回展示されているモディリアーニ作品は40点ほどとなっております。展示リストのpdfデータがネット上に見当たりませんが、これくらい用意して欲しいもんだ。

展覧会で40点だけだと全然足りないのでモディリアーニと交流のあった画家などの作品なども多く展示されてます。

平日ってこともあり、かなり人は少なかったです。

写真撮影は2枚だけ可でした。1枚が「髪をほどいた横たわる裸婦

モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」
モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」
この作品、戦前から日本にあったのと、この中之島美術館がな最近までできなかったこともあり展示される機会がかなり少なかったので世界的にはそんなに知られていませんが、モディリアーニの作品としては傑作に近いと思われるので、今オークションに出すとモディリアーニの最高落札額の1億7千万ドル(214億円くらい)を超えてもおかしくないかも知れません。当時の購入価格が19億3千万円で高すぎと言われてましたが、200億円で売れると言っても売ったりはしないでしょうけど、どっちにしろ今買おうと思っても絶対買えないので買っといてよかった作品であることは間違いないですな。

で、なんで買ったのかってのは元々は戦前からの大阪の実業家(美術品集めた屋敷は芦屋だけど)の山本發次郎のコレクションだったからです。その辺はここで詳しく書く根性はないので調べていただければと。ちなみにこのモディリアーニは一旦西武に約13億円で売られてから大阪市が買っています。で、単に想像ですが、これが西武に結構高く売れたからなのか、有名な佐伯祐三などの山本發次郎の他のコレクションはモディリアーニを西武に売ったのとほぼ同時期に大阪市に寄贈されています。

撮影可だったもう1枚はこれです。グレタ・ガルボが持っていたということで、初公開だそうな。

モディリアーニ「少女の肖像」
モディリアーニ「少女の肖像」
ってことで、滞在時間は50分ほどでしたが、ハシゴしてなかったらもうちょっとじっくり見てたと思います。

4階の常設展示室でも大阪をテーマにした展覧会を実施中で、別料金だったのと、閉館まで30分ほどだったので諦めました。余裕あったら見てたかも知れないけど、やっぱり常設展示室は常設展として特別展見た客が無料で見れるようにして欲しい。まだ開館したばっかりで今後どうなるかはわかりませんが。

ってことで、美術館内にオープンしたデンマークのインテリアショップのHAY OSAKAを覗いてから次に向かいました。

野田藤

次はモディリアーニ展やってる大阪中之島美術館に行くつもりだったので福島から歩こうかなと思ってたのですが、そう言えばそろそろ藤も咲いてるかなと思ったのと、中之島美術館が17時までで余裕があまりないけど乗り継ぎ考えたら野田(野田阪神)で下りる方がよさげだったので野田で下りまして、藤の様子を覗いてきました。

野田藤(のだふじ)というとなんか特別な藤だと思われるかも知れませんが、日本の藤は多くが野田藤で藤というと野田藤のことなんだそうな。で、この福島区辺りが昔から藤の名所だったそうで、なので野田藤という名前になったんだそうな。これが次の5千円札にも採用されています。ってことで福島区には復元に努力している方々がいて公園とかに藤棚がある場所が増えてきているので見頃にはちょっと早そうだけど一度は見とこうかと。

野田阪神の駅前にも藤棚があるんですけど、見頃にはほど遠かったです。で、藤棚の数が一番多いと思われる下福島公園に寄りました。

ここもまだまだって藤がほとんどでしたけど、わりといい感じのがあったので載せときます。インスタのと同じ。

野田藤(のだふじ)
野田藤(のだふじ)
来週末あたりからが見頃ですかね。下福島公園の最寄り駅は京阪中之島駅ですけど、徒歩圏内の駅の選択肢はいくつかあるので地図見て考えてください。

佐藤健寿 奇界/世界 @西宮市大谷記念美術館

次は阪神香櫨園駅からちょっと歩いて西宮市大谷記念美術館 へ。ここに来るのは初めてです。落ち着いた感じの住宅街の中にあります。

西宮市大谷記念美術館
西宮市大谷記念美術館
偶然ですが、これもクレイジージャーニーによく出ていた佐藤健寿の写真展です。以前にもなんばパークスやスカイオで展覧会やってて私はどっちも見てますけど、ちゃんとした写真展としてはこれが初とのこと。

佐藤健寿のメインテーマの奇界遺産とその撮影以外の大半の時間で目にする普通の景色を撮影した「世界」の二つのテーマの写真展となっています。世界の方は比較的少ないですけど。

ってことで、今回の大半は写真の展示で、現地で買った物が少し展示されてました。動画は最後の方に一つと、インタビュー動画の部屋も別に用意されてます。

ってことで、この美術館、全部を特別展に使うと1000平米を超えるのでハルカス美術館なんかよりも広いのでかなりちゃんとした展覧会になっています。写真の点数も多いし、「世界」の方は解説はありませんが、奇界の方は解説付きキャプションが多く、しかも展示数も多く、最後の動画が約30分、インタビュー動画が15分弱もあるので滞在時間は2時間以上掛かりました。お腹いっぱいです。なんばでやった展覧会で見たのをちゃんと憶えてる人はほとんど知ってるところばっかりかも知れません。なんばスカイオでの展覧会が2019年夏なのでその後半年も経たずに新型コロナですからしゃあないですな。

ここには立派な庭園があってぐるっと回遊できるようになっていたので一回りして帰りました。で、岡本太郎の作品も置いてあります。

岡本太郎 午後の日
岡本太郎 午後の日
これは展覧会だけ見て帰る人だと気づかない場所にありました。

ヨシダナギ写真展 DRAG QUEEN @阪急うめだギャラリー

今日は有休をもらいまして展覧会のハシゴなどをしてきました。ほんとは明日休む予定だったんだけど、仕事の都合で今日にしました。

まずはクレイジージャーニーによく出ていたヨシダナギの写真展。阪急うめだギャラリーです。

阪急うめだギャラリー
阪急うめだギャラリー
ヨシダナギは海外の未開地とかの民族の写真を撮るのをクレイジージャーニーでやってましたが、今回はそういうのは無くて全部ドラァグクイーンを撮った写真です。

Dragはドラッグ・アンド・ドロップのドラッグで「引きずる」とかそういう意味ですけど、ドラッグと書くと薬のdrugと紛らわしいってことでドラァグと書くことが多いようで。ドラァグクイーンはミッツ・マングローブとかナジャ・グランディーバとかが有名ですな。ゲイの人がほとんどですが、ゲイの人でないとそう呼べないと言うことでもなく、この写真展にも女性が一人入っていました。

ちなみにアサヒメイトで無料。自動継続にしてたので今年も放置しててそのまま継続されちゃいましたが、今年は元取れそうかな。

同じフロアでは北海道物産展とかやってて人でごった返してましたけど、平日昼間と言うことでわざわざこういう展覧会に来る客は少なそうでこっちはガラガラでした。10人いなかったんじゃないかな。写真撮影は衣装とかがあったコーナー以外は作品も全部撮影可。

阪急うめだギャラリー
阪急うめだギャラリー
ヨシダナギってコントラストや色をどぎつくいじった写真が多い印象でしたが、今回は多少抑え気味になったかなって感じ。どぎつくいじった感じの写真もありましたけど。

今日はハードなスケジュールが確定してたのと、無料だったこともあり20分ほどで退散。

南天満公園の桜

帰りは旧藤田邸庭園から大川沿いを南下して川崎橋を渡り、更に大川沿いを歩いて南天満公園まで行きました。大川沿いの毛馬桜之宮公園からこの辺まではずっと桜が植えられています。毛馬桜之宮公園は端から端まで歩くと3km以上はあると思うのですが、歩いたのは南端だけ。

南天満公園
南天満公園
南天満公園は上の地図リンクで確認して欲しいですけど、天満橋と天神橋の間の北岸です。上の写真ではほとんどわからなくて人の頭がちょっと映ってるだけですが、私が撮った位置の更に川沿いの道がこの桜の時期だけ開放されています。

天神橋から東に向かって撮った写真。

天神橋から東を臨む
天神橋から東を臨む
中央奥に写ってる横長のでかいビルはOMMビル(大阪マーチャンダイズ・マートビル)ですが、これができたばかりの52年ほど前はこれが西日本一高いビルで、できたばっかりの頃屋上に連れてってもらったのを今でも憶えてます。

と言うことで今年の花見はこれで終わりかな。満開の桜見れたのでまぁ満足です。

藤田美術館

今日は昨日リニューアルというか建て替えオープンした藤田美術館に行ってきました。混んでるかも知れないけど混んでたらスルーして花見して帰ろうかなと。家からは近いので電車に長時間乗るわけでもないしリスクは低いと判断。

で、現地に着きました。大阪城北詰駅の3番出口は美術館の敷地内にあります。

これは帰りに撮った写真ですけど、行列は来た時も似たようなもんでした。

藤田美術館
藤田美術館
で、ちょっと人多いなぁどうしようかなぁとちょっと迷って並ぼうとしたのですけど、なんか変。実はこの行列、中でお茶と団子のセット(500円らしい)をいただくための行列でした。すぐに気づいて良かった。もうちょっとわかるようにして欲しい。

内部はこんな感じでこれも帰りに撮った写真。左の壁に古い蔵の入口をそのまま取り付けてあってそこから入ります。

藤田美術館
藤田美術館
美術館には中に入ってから並ぶようになってましたが、並んでたのは10人ほどで大して待ちませんでした。チケット売り場は存在しなくて完全キャッシュレスで並んでいる間に担当の人が応対してくれます。ネット購入も可ですが、ここんとこオフィシャルサイトがほとんど繋がらない(アクセス少なそうな早朝とかだと繋がったりしてますが)のでしばらくは使えませんな。

入場制限で少しづつ入れるためのバッファで並ばせていただけで展示室の中はかなり客は少なかったです。展示数が少ないので滞在時間がかなり短いってのも影響してると思う。

と言うことで展示ですけど、想像以上に展示数が少ない。建て替え前の蔵の時より少ないのでは。ちょっとがっかり。所蔵品数千点もある美術館なのにこれだといつまで経っても見れないものばっかりになるんだろうな。展示スペースに対して余裕をめちゃめちゃ持たせた展示になってるので今後はもっと多く展示することもあるんだろうか。

ここで一番有名な国宝の曜変天目茶碗の部屋はそれだけにの部屋になっています。こんな感じ。

曜変天目茶碗の展示
曜変天目茶碗の展示
ホームページの情報見て思うにこの曜変天目もいつ来ても見られるようにならないんではないだろうか。うーむ。

スマホでフラッシュ無しの撮影可にはなっているのですけど、展示室はめっちゃ暗いので撮るのが難しいです。

撮った展示物は2枚ほどインスタの方に上げてますが、2枚目の青磁の花瓶は取っ手の鳳凰の部分は最近復元したものです。暗くて撮るの大変でこれが一番まともな写真。NHKのスペシャルや4/3の日曜美術館で放送してましたが、繋ぎ目とか全くわからない。神業ですな。放送されてたもう一つの茶碗も展示されてます。ちなみに日曜美術館は4/10の20時からも再放送されます。

展示物は上の修復された二つ以外は有名なものは見たことあるものばっかりなので特に感想無し。

建物はあまりかっこいいとは思えないですけど、この真っ白さがずっと維持できるんだったらこれはこれでありかも。とにかく展示室があまり広くならなかったのが残念だな。でかくしても維持できないと思ったんだろうか。

建て替え前は展示室が古い蔵だったので空調の問題で春秋だけの営業でしたがこれからは年末年始以外は年中無休ってことでいつ来ても開いているってのは評価したい。

あ、そうそう、以前だとお向かいの太閤園のカフェのセットメニューの割引券をくれたりしましたが、太閤園自体が創価学会に売られてしまいましたのでそれももうかないません。

ついでに花見

最後にもう1個、お向かいの京都市京セラ美術館の東山キューブでやってる森村泰昌の展覧会を見ようかなと思っていたのですけど、ここまで見た展覧会の展示数がどっちも点数が多くてかなり疲れちゃったので次の機会にすることにしました。後に回しても混んでないだろうし。

ってことで、インクラインの桜でも見とこうかってことで寄りました。

インクライン
インクライン
まだ満開でなかったですけど、なかなか良かったです。これだけ見れれば十分かな。今週末は混むんでしょうな。

動画も久々に撮りましたけど公開するかは未定。

ってことで、帰りは京阪で帰ったのですけど、たまたま洛楽だったので七条から京橋までノンストップなので座れるし早く着くしでラッキー。

サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇 @京都国立近代美術館

次は地下鉄に乗って岡崎の京都国立近代美術館へ。近代(蕪村、若冲、応挙の時代から明治くらいに掛けて)の京都と大阪の絵師の展覧会です。

京都国立近代美術館
京都国立近代美術館
どういう展覧会なのかがちょっと説明がめんどくさくて、オフィシャルのサイトはアーカイブで残るでしょうからこっちを参照してください。

宣伝もされてないし、先週始まったばかりだし、あまり話題にもなってないのでガラガラでした。

蕪村の国宝の夜色楼台図が前期に展示されてます。これ個人蔵なのね。

大英博物館所蔵の作品も20点ほどあって、これってかなり貴重なんじゃなかろうか。しかもなんとそのうち耳鳥斎が2点。大英博物館って耳鳥斎も持ってたんや。見に来といて良かったです。展示されてた片方が巻物で後期に巻き替えがあるのでこのためだけに見に来てしまいそう。

馴染みのない画家が多いですが、面白い作品も多く、全期間の展示総数239点で展示替えがあるので同時展示数は180点くらいですけどかなり多いです。

ってことでお奨めです。個人的には耳鳥斎が結構あっただけでも見に来た甲斐あったというもんです。図録買おうかなと思いましたが、かなり分厚くて結構高かったので躊躇してしまいました。

上の写真には森村泰昌の作品が写っていますが、コレクション展でいくつか展示されてます。

挑む浮世絵 国芳から芳年へ @京都文化博物館

今日は半年ぶりの通院で有休もらっていたので帰宅後に京都に出かけました。コロナじゃなければ休日に余裕を持って出かけたんだけど。うまくいけば3つ展覧会ハシゴするつもりで11時半頃に家を出ました。

まずは京都文化博物館の浮世絵の展覧会。来月10日まででそろそろ会期終了ですが、見ないでおこうかなと思ってたので今日になってしまいました。

京都文化博物館
京都文化博物館
この古い建物は別館で展覧会には使われてませんで、右に映ってる隣接しているのが本館です。

歌川国芳と月岡芳年の師弟コンビとその周辺の作品の展覧会です。展示されているのは全て名古屋市博物館所蔵品で、錦絵がほとんどです。肉筆画は2点あります。

で、珍しく全部撮影可。150点もあるので全部撮ろうとすると大変です。

京都文化博物館
京都文化博物館
中はこんな感じでこの写真だと混雑してなさそうに見えますが、最初の方はかなり混んでました。でも150点もあるのでわりとすぐに空いてきます。よくあるパターンですな。

有名作品など馴染みのあるのも多いですけど、初見のも多くて見に来て良かったです。

では次。

国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ @奈良国立博物館

今日も展覧会に行ってきました。自宅は鶴橋なので奈良には近鉄で乗り換え無しで30分ちょっとで着きますが、この状況だと近鉄も空いてるだろうし、展覧会も空いてるだろうと言うことでリスクは一昨日よりも低いと判断。

案の定全部当たりでした。でも観光関係は厳しくなりそうね。鹿せんべい屋のおじさんが自腹で鹿に鹿せんべい食わせてたのを目撃。こんなの初めて見ましたので私も買ってあげました。

下の写真にもありますが、「新たに修理された文化財」の展示は3月から始まるそうなので3月まで待った方がいいかも知れませんが、コロナの状況どうなるかわからんので私は見れるうちに見とこうって感じでさっさと見ることにしました。

途中、観光客はパラパラいましたが、当然ですが日曜とは思えないほど少ない。

ってことで現地着。

奈良国立博物館
奈良国立博物館
昨日から始まった聖林寺の国宝十一面観音がメインの展覧会です。聖林寺の展覧会というわけではなく、神仏分離以前まで大神(おおみわ)神社の中に存在した大御輪寺(だいごりんじ)関連の展覧会となっております。聖林寺の十一面観音も元は大御輪寺の本尊でした。

ってことで、展示数はめっちゃ少なくて、件数だと31件。30分ほどで見ちゃいました。会場内の客は少なかったですけど、展示数自体少ないので十一面観音の周りには10人ほどは取り囲んでましたけど。

で、毎年この時期にやっているお水取り関連の展示も新館の片方を使って行われています。これもさらっと見学。

ショップエリアにはどっかで見た顔(と言ってもマスクしてる)の人が座ってるなぁと思ったら聖林寺のご住職でした。朱印を書いてもらえたようですが、私は朱印集めの趣味はないのでスルー。客少なくて暇そうで、一人で座ってたのでちょっと可哀想でした。まぁちょろっとは朱印を書いてもらう客がいたので耐えられないほどではなかったと思いますけど。

仏像館(元の本館)もさらっと見まして、合計1時間ちょっとって感じで本日終了。

帰りはダイソーでトリュフ風味のポテトスティックを買って帰っただけ。これがめちゃうまい。

これでしばらく出かける予定はなくて、次行きたいなと思ってるのは4月以降なんですけど、その頃どうなっとるのかなぁ。